月別アーカイブ: 2009年2月

アビリティーズの綱領


学部長の吉田優治です。

NPO法人日本アビリティーズ協会の伊東弘泰会長は、1歳の時、小児マヒにかかり右脚が不自由になられました。伊東会長は、すべての障害者に普通の生活や仕事の機会が与えられるべきだと考え、1966年に同協会を設立し、「アビリティーズ運動」を推進してこられました。以下の「アビリティーズの綱領」は、同協会の理念と哲学を示したものです。

私は、この綱領を読んで、人間の尊厳について考えさせられ、心を大きく動かされました。同時に、この綱領がサービスやホスピタリティを考える上での基本になると考えました。そこで1年次の必修科目「サービス創造入門(仕事刺激クラス)」の第1回講義(4月8日)に伊東会長をお招きし、「アビリティーズの綱領」についてお話いただくことしました。

サービス創造学部にとっての記念すべき講義になると思います。

同協会設立後に伊藤会長が起業した福祉機器製造の「㈱アビリティケアネット」は、新学部の公式サポーター企業です。島田学長と伊東会長は、川崎市において行政と協力し、福祉に関わるKIS「かわさき基準」の運動を推進しています。

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 アビリティーズの綱領

わたしは平凡な人間でありたくない。
非凡な人間としてできれば、“保障”よりも“チャンス”を選ぶこと…
これこそわたしの願いである。
わたしは、国家に養われ、卑屈で、怠惰な人生を送ることに満足できない。
わたしは、夢をえがき、計算された冒険の道を求め、建設しつづける。
―たとえ、それが成功しようとも、失敗しようとも。

わたしは、すばらしい人生の刺激を、いくばくかの施し物のために

放棄することなどしない。
わたしは保障された生き方よりも、つねに挑戦する人生を選ぶ。
それはユートピアのような日々ではなく、スリルに満ちた世界である。
わたしは、決して、恩恵のために自由を、慈善のために尊厳を

捨てることはしない。
いかなる権力者の前でも畏怖しないし、また、いかなる恐怖に対

しても恐れることはない。
姿勢を正し、誇らかに、なにごとも恐れず、自らの意志で決断し、

行動する。
自分で創造していくことを大切に考え、世間に向かってこう宣言したい。

ーーーこれがわたしの成し遂げたことだーーーと。

 

われら数百万の障害者のために、あなたとわたしのために、

この要綱は名誉ある日本人としての道を示すものである。

(1966年4月17日)

刑事コロンボ


経済学担当の岡崎哲郎です。

 

NHK衛星で『刑事コロンボ』を放送しています。30年以上前にNHKで放送していて、当時熱中して見ていました。当時思っていたのですが、このドラマでは、犯人が犯人であることを示す決定的な証拠は不十分な場合が多いと思います。もちろんコロンボが推理を通じて犯人を追いつめるその経緯がこのドラマの見どころですから、決定的な証拠があるかどうかはドラマの価値には影響を与えないし、子供の頃にこの点が気になりながらも毎回ドラマを楽しんでいましたし、30年以上たった今でもコロンボの推理を覚えているのですから、やはり私にとって忘れられないドラマとなっています。

 

この子供の時の記憶から、まったく関係のない映画『パリの灯は遠く』が頭に浮かびました。20年以上前に見た映画なので曖昧なのですが、第2次大戦中にアラン・ドロン演じる主人公がユダヤ人であるという疑惑をかけられ、自らを陥れようとしている人物を探し出そうと行動すればするほど、その行動がかえって警察にユダヤ人だと信じ込ませる事実を残してしまいます。最後のシーンは今でも頭に残っていて、私の解釈では映画中にほとんど出てこない一人のユダヤ人の思いがそこで浮かび上がってくるものでした。この主要モチーフとは別物なのですが、警察の推理につながる事実が出てくるうちに、ユダヤ人でない一人の青年がユダヤ人とされてしまうという点は、推理を基に一人の人間を犯人としていくコロンボと重なっている気がします。構造は逆ですが。

 

コロンボが全く事件と関係ない人物を犯人と思い、その推理をその人物に伝えながらゆさぶりをかけ、その人物は自分の無実を示そうと行動すればするほど逆に不利な事実が残り、コロンボがその事実に従って推理を組み立て、最後はその人物が犯人とされてしまう。こんなパロディが可能では。ちなみにカフカの小説では、自分が何の罪に問われているかもわからないまま権力によって追い込まれていくというものもありました。この小説はオーソン・ウェルズが映画化して、そこでの光と闇を使った映像の見事さは今でも覚えています。

 

学生プロジェクトで誰か映像作成に挑戦しないですか。サービス創造ですから、刑事ものにはならず、経済活動のイメージを表現するものとなると思いますが、挑戦する価値はあると思います。その中のいくつかが、マリーン・スタジアムやJRの車両の中で映し出される、とまでいけば素晴らしいですね。商経学部での仲の良い同僚の仏文学者が数年前から映画作製に凝っていて、すでに3本作り、我々や地元の人たちを集めて上映会をやっていますから、アドバイスをしてくれるかも。そういえば、彼の第1作目は刑事もので、私が犯人役でした。

サービス創造大賞 発表


学部長の吉田優治です。

本日、サービス創造大賞を大学ホームページ上で発表しました。あわせて90社を越える報道機関にも大賞決定についてプレスリリースを行いました。

受賞者の皆様、おめでとうございます。大賞に応募していただきましたすべての方々、そして高校の授業で大賞プログラムをご活用いただきました先生方、また大賞審査にご参加いただきましたサービス創造学部「公式サポーター企業」の皆様に心より感謝申し上げます。残念ながら今回受賞を逃した皆さんは、次の大賞で頑張ってください。

大賞授与式は、4月3日入学式後の「学部開設記念パーティー(約500名出席)」において行われ、島田晴雄学長から直接に受賞者に授与されます。すでに、次年度の大賞企画もスタートしています。次回大賞の募集を楽しみにお待ちください。以下は、私の執筆した全体講評です。「サービス創造学部」は、これからもサービス創造の研究と教育に全力で取り組みます。

*****************(全体講評:学部長・吉田優治)

全国から880件もの応募をいただきました。大賞・準大賞ばかりでなく、応募いただいたどのアイディアも、実際の生活のなかでの「心地よさ」・「快適さ」・「利便性」を実現しようとするものばかりでした。その意味で、サービス創造のニーズは、私たちの普段の生活に埋まっているのかもしれません。そのニーズを掘り起こすためには、多様な経験ばかりでなく、どこにニーズがあるのかを嗅ぎ分ける嗅覚をいつも鋭敏にしておくことが求められるのではないでしょうか。さらに買ってもらえるサービスにするには、サービスを具体化する技術や技能、さらには低コストの実現も求められます。
    審査を通じて「サービス」がこれほどまでに幅広く、多様なものであり、それらが個人ばかりでなく、企業や社会を豊かにするものであることを再認識させられました。「サービス創造」は、これからの個人・企業・社会の将来を創りあげる基礎です。これからも様々な場面で「サービス創造」を続けてください。未来は皆さんの創造する力を求めています。

サッカー観戦


経済学担当の岡崎哲郎です。

 

今日(正確には昨日)、ワールド・カップ予選のオーストラリア戦を見てきました。結果はニュースなどでご存じだと思います。

 

私は子供のころから高校卒業までサッカーをやっていました。当時の日本ではサッカーは完全なマイナー・スポーツ。ワールド・カップの扱いも小さなものでした。でも、ベッケンバウアーとクライフの西ドイツ大会決勝戦を初めとして様々な記憶が残っています。Jリーグが始まってからは日本でもサッカーが注目されて、ドーハの悲劇(この日のことは今でも覚えています)を経て、日本もワールド・カップに出場するようになりました。

 

2002年には日韓共催で、あのときの1か月は、街中ではいろいろな国からのサポーターに出会うし、テレビでは様々なサッカー関連の番組をやっていますし、新聞もサッカーの扱いが大きい日々でした。私自身、チケットが手に入りましたから、日本全国あちこちのスタジアムに行ったのを昨日のように覚えています。やはりスポーツは実際に競技場で見ることによって、テレビ観戦とは全く違う感動が得られます。これは今回も実感。

 

サービス創造学部では、スポーツ・ビジネスを一つの分野として重視していますし、実際自分の今までの体験を考えても、スポーツは人に感動と記憶を与えるサービスとなっていると実感します。千葉ロッテ・マリーンズが公式サポーター企業ですし、皆さんのアイデアでスポーツの世界での新しいサービスを創造していってほしいと思います。

 

ドレスコード&大賞審査


学部長の吉田優治です。

新学部では、これまで学部開設準備のために数え切れないほどの会議をしてきました。昨日も、8時間におよぶ会議を関係教職員が出席して行いました。新学部では皆さんを迎える準備が着々と進んでいます。

■昨日の会議で、ドレスコード(服装規定)を採用することが決まりました。本来、何を着るのかは個人の自由です。しかし、「サービス創造学部」では30社を超える「公式サポーター企業」の方々から、講義、会社見学、企業留学(インターンシップ)、プロジェクトなどの場面でご指導いただきますので、そうした方々に気持ちよく指導していただける服装も重要です。サービスに関わる人々にとって、相手や状況に合わせて、どのように自分を表現するかを考えることは重要です。現在、どのようなドレスコードを採用するかについて、ファッション業界に詳しい教員を中心に検討をすすめています。ドレスコードは、「サービス創造学部」が採用する戦略的サービス・スタンダードのひとつです。

■また昨日の会議では、「サービス創造大賞:あったらいいな、こんなサービス」の審査を行いました。「サがつくひらめき」のアイディアがたくさん集まりました。2月14日に大学HPで大賞発表、4月3日入学式後に行われる学部開設記念パーティーで島田学長から大賞が授与されます。応募件数は最終的に880件。大賞発表をお楽しみに。

2月3日、節分です!!


はじめまして。新学部設置準備室の木伏です。                                    

2月に入り、皆さんを迎えるための準備が着々と進んでいます。                             さてっ、今日は2月3日節分ですね!                                          ちなみに、節分は「季節を分ける」ことを意味し、                                    2月であれば「立春の前日」を指すそうです。                                     (春が近づいて来たんですねぇ・・・。花粉症だけど、なんだか嬉しい^^)

お昼中、話題になったのが「節分に使用する豆は何か?」という話でした。                      東北・北陸出身者は「落花生」、関東出身者は「大豆」という意見に分かれました。               ちなみに我が家では、落花生を使います。                                             

その後も、豆の行方で話は盛り上がり、                                                「豆は年の数だけ食べる」とか                                                       「枡に残った豆を掴んで、握った数が年の数だと、縁起がいい」                              という高度な文化まで・・・                                                 小さなケンミンショーで、お昼時間はあっという間に終わってしまいました。                                 

夕飯に恵方巻を食べる方も多いと思いますが、                                             私も今晩は、家族の健康と皆さんの素敵なキャンパスライフを願って                                      恵方巻を食べようと思います♪

熱血講座


学部長の吉田優治です。

卒業生が、交替で在校生に、仕事や人生についての「熱き想い」を語りかける「熱血講座」。学長のアイディアと後輩たちを応援したいという卒業生たちの想いがひとつになり科目新設されました。昨年4月、私が科目担当者になり、全学共通科目としてスタート。春学期の履修登録者は54名。先輩たちの「熱き想い」が評判となり、秋学期には3倍の149名が科目履修.

今年度、後輩たちに熱く語りかけてくれた卒業生は、千葉税理士会会長・日本税理士協会副会長、中小企業診断士協会副会長、鉄鋼卸売会社社長、経営コンサルタント、公認会計士、元高校校長・専門学校校長、スクールカウンセラー、公認会計士・元監査法人代表社員・大学院教授、銀行常務、銀行支店長、老舗デパート外商営業マン、ホテル総支配人、社会起業家、ビル不動産会社経営者、社員派遣会社社長、鮮魚卸売会社役員など総勢26名。

会社経営に行き詰った時に御子息から贈られたCDの歌を熱唱してくれたO先輩。後輩に伝えたいことがあると鳥取から飛行機で駆けつけてくれたK先輩。NYでたこ焼き屋をオープンした苦労を語ってくれたS先輩。インドネシアでの留学経験を経て、ボランティアをするには経済力をつけなければならないと考え社会起業したT先輩。商大を愛し、後輩たちを愛する先輩たちばかりです。

昨夕、原田理事長、島田学長、三浦同窓会長も出席され、今年度の熱血講座まとめの懇親会が学内で開かれました。来年度も熱き想いの先輩たちがたくさん「熱血講座」に駆けつけてくれます。熱い、熱い、熱い「熱血講座」になるでしょう。