情報科目担当の神保雅人です。
新入生の皆さん,入学おめでとうございます。
皆さんが子供の頃に流行った『封神演義』は周の武王が殷の紂王を討つという時代のお話しでしたが,こうして打ち建てられた周王朝もやがて勢いが衰え,後に『春秋』と呼ばれる時代に差し掛かると『孔子』という偉大な賢者が弟子たちに様々な教えを説きました。この教えが後にまとめられたものが『論語』です。
最近,久々に論語ブームが起きています。色々な書籍が新規に出版されていますが,私は高校生の頃には孔子や『孟子』といった『儒家』よりも『韓非子』のような『法家』が好きでしたので,昨年,角川SSC新書に入っている,『右手に「論語」左手に「韓非子」―現代をバランスよく生き抜くための方法』(守屋 洋 著),を購入しました。
日本では,孟子の説く五つの徳目の中にある『長幼有序(ちょうようにじょあり)』が浸透していて,千葉商科大学の建学の趣旨にも『長幼の序』という言葉が登場します。この言葉の意味は,年下の者は人生の先輩である年長者を敬わなければならないということです。
さて,それでは,年上の者はどういう心構えで年下の者に接するべきかということに関して,孔子は『後生畏るべし』と言っているのです。ここで後生とは先生の反意語で後から生まれたという意味です。この言葉の意味は,後から生まれた若者は将来どこまで伸びていくか分からないので,年上の者は年下の者に対して畏敬の念を持つべきであるということです。
私は上述の本でこの言葉を改めて目にして,これから皆さんに接する際は,まさにこの心構えで臨みたいと思いました。皆さんのまだ瑞々しい頭脳で,柔軟かつ斬新な発想をもって,新しいサービスを創造しようと試みていただくことを大いに期待しております。