飯田純さんからの「海外インターンシップ報告」

学部長の吉田優治です。

この夏、インドネシアの日系企業でインターンシップを体験した、学部3年生の飯田純さんからの海外インターンシップ報告です。人は、「移動した距離だけ、考えただけ、汗をかいただけ、成長する」と私は信じています。飯田純さんの今後の活躍に期待しています。

****飯田純さんからのコメント*****

私は、本社が岐阜にある山登ゴムのインドネシア工場(下写真)にて2週間のインターンシップを行いました。工場があるのは首都ジャカルタから東へ80キロのチカンベック。1週間目、ゴムの製造工程と品質管理を学びました。2週目は、インドネシアの現地協力会社を見学、従業員の方々ともディスカッションする機械に恵まれました。

インターンシップを通じて感じたことは、山登ゴムは製品の品質管理に凄まじいほどの努力を重ねていること。同社では、問題が発生すると、その都度ミーティングを行い、改善策を従業員全員で模索します。例えば、検査作業は集中力が求められているので一日3回全員で体操します。また製品不良が出やすいポイントではチェックシートを作り、それを掲げて検査を行うなど、従業員一人一人がいつも品質改善のための改善策を考えています。しかし、それでも不良品が発生する作業マネジメントの難しさを学びました。

その後、現地のゴム会社と金型工場を訪問。そこではインドネシア経済も含めて多くのことをお聞きする機会を得ました。現地の会社は、山登ゴムほど品質チェックを行っていないように感じました。日本とインドネシアでは求められる品質水準の違いを実感しました。日本の品質はとても洗練されており、そのために人件費がかかり製品原価も高くなることを学びました。

山登ゴムの工場では現地の方々に仕事を教えていただいたのですが、会社ではすべてインドネシア語だったので毎日毎日、本当に大変でした。研修期間中、断食時期であったため、みんな飲み物さえも飲むこともしませんでした。そんな過酷な中でも生き生きと、そして楽しく働いている姿がとても印象に残っています。異文化の中で働くことは国民性や宗教をよく理解しなくてはならないと感じました。

Picasa Web Albums - 藤田靖

インドネシアの首都ジャカルタの第一印象は、高層ビルが立ち並び、想像以上に発展していて驚きました、まさに新宿みたいです。しかし社会インフラはいまだ十分整備されておらず、水道水で私は毎日お腹をこわしていました。交通もまったく整備されていないので毎日ものすごい渋滞でした。そして町を見渡すと物乞いが多く、経済的な格差を感じました。また、市内はほとんど車で移動するほど治安が悪く、日本では考えられない光景ばかりで本当におどろきました。

インターンシップ体験で感じたことは、日本の常識が、インドネシアでは必ずしも通用しないこと。グローバルに活躍するためには、日本の常識にとらわれていてはいけないということです。インドネシアでの2週間の体験は、日本では経験できないことばかりで、とても貴重な時間でした。楽しいことだけではなく、言葉が通じずに悔しかった気持ちや、インドネシアの格差や治安の悪さに衝撃を受けたこと、自分の弱さを知れたこと、全部がこれからの私の貴重な手掛かりになるでしょう。インドネシアの皆さん、ほんとうに貴重な体験をありがとうございました。