専任講師の石井裕明です。前回に引き続き、9月15日~18日で実施した立信会計学院との交流プログラムに関する報告です。
2日目は8時出発と少々早めからの活動となりました。もちろん一日立信会計学院の皆様と一緒に行動させてもらいました。
午前中は工場見学です。松江区には多くの企業の工場が進出しており、まさに「世界の工場」の一角を担っていると感じられます。たとえば、世界中のノートパソコンの1/3が松江区で作られているそうです。松江区では、170社以上の日本企業が操業しているとのことでした。
最初に見学に訪れたのは中国が誇る世界的ビールメーカーである青島ビールの工場です。まずは日本でいう財務部長の方から青島ビールのマーケティングについて説明を受けました。日本で見かける青島ビールだけを考えると、それほど種類が無いように感じますが、中国国内では58もの種類を販売しているそうです。驚きを感じる方が多いのではないでしょうか。また、日本ではビール離れが叫ばれて久しいですが、中国のビール市場はまだまだ伸びているそうです。今後の中国ビール市場の動向にも注目していきたいですね。
青島ビールのマーケティングに関する説明を受けた後、作りたての青島ビールをいただくことができました。私はそれほどグルメではないのですが、中国ではビールを冷やして飲む習慣がそれほどないとのことで、冷えていなくてもビールそのものの味わいを楽しめるのが特徴でしょうか(もし違う印象をお持ちの方は是非コメントをいただけると助かります)。午後には研究会があるので、多くは飲めませんが、3年生の学生も作り立ての青島ビールを楽しませていただきました。
青島ビールの方が我々からの質問に答えてくれるというお言葉に甘え、非常に多くの質問をさせていただきました。学生からの質問の一つ一つに日本市場と中国市場の違いが見え隠れしており、まさに国を超えた経営やマーケティングの醍醐味を感じられたのではないかと思います。後から聞いたことですが、学生が積極に質問する様子を見て、青島ビールの方も、立信会計学院の先生方も驚かれていたそうです。その後、工場内のラインの様子を見学させていただきました。
青島ビールに引き続き、明治の製菓工場に向かいました。こちらの工場での説明を担当してくださった日本人の総経理(社長)の方は千葉県内にお住まいがあるとのことで、本学との縁を感じながらの見学となりました。
工場での主力製品はチョコレートだとのことです。日本では、明治のチョコレートというと、板チョコを思い浮かべる方も多いのではないかと思いますが、中国市場では日本で冬季に発売しているメルティキスが特に人気だそうです。日本では発売されていないフレーバーもあり、カラフルな箱が並んでいる様子は、舌だけでなく目にも楽しく感じます。
最初にしていただいたプレゼンテーションでは、明治商品の中国市場における位置づけを調査データを示しながら説明してくださったり、現在展開されているマーケティング活動を写真や動画を交えながら紹介してくださったので、学生達にも日本市場と中国市場の違いが非常に理解しやすかったのではないかと思います。
ここでの質問タイムでも学生の積極性が目立ちました。特に、日本と中国におけるパッケージの違いに関する質問には、一つ一つの製品をじっくり見ているのだなぁ、とマーケティング担当教員として感心させられました。具体的に言葉で説明するのは難しいのですが、単純化してしまうと、中国のパッケージの方が日本のパッケージより強固に作られており、その方が評判が良いそうです。その後の工場見学では従業員の方が黙々と作業している様子が非常に印象的でした。
二つの工場の視察を終えたら、立信会計学院へ戻って昼食、そして研究会です。