「築地銀だこ」佐瀬社長、夢を形に


千葉商科大学「サービス創造学部」の学部長、吉田優治です。

12月7日の「ユニバーシティー・アワー」は、サービス創造学部の企画担当日。学部長として迷わず、株式会社ホットランドの代表取締役社長の佐瀬守男氏に講演をお願いしました。島田学長からは、凄い経営者を見つけてきたなと当日の朝、お電話いただきました。

これまで佐瀬社長にお会いしたことはありませんでしたが、佐瀬社長については、桐生南高校野球部時代の1年後輩にあたる荒木重雄特命教授から、メチャクチャに心熱くやさしい先輩とお聞きしていました。それ以来、ず~と、いつか「銀だこ」で年商200億円を超えた経営者からビジネスとサービス創造を学びたいと願ってきました。

講演テーマは「夢を形にする」。期待通りの凄い講演でした。教育革新センター長の朝比奈教授は、講演の翌日、「あんな講演に出会ったことがない。3,4年生にも聞かせたいので収録DVDがあるなら貸してほしい」と連絡してきました。

佐瀬社長は、講演冒頭、「幼い時から商いをしたいと考えていた私は、千葉商科大学に入学することが目標のひとつでした。諸事情により願いは叶いませんでしたが、そうした若き日の思いがよみがえり、今日大学に入った瞬間、思わずウルウルしてきちゃいました」と千葉商科大学への思いを語ってくれました。

佐瀬社長は、◆25歳のとき、地元、群馬県の桐生で母親と始めた焼きそば屋での売れない厳しい毎日、◆「中華まんじゅうアイス」をつくり横浜中華街で販売してヒットさせたこと、◆銀座に自転車で売れ残ったアイスを販売に行ったこと、◆ジャガバターを高速道路SAで販売して小金を手に入れたこと、◆「たこ焼き」に絞った商品展開を考え、関西に長期滞在してたこ焼きのづくりを研究したこと、◆自転車行商をしていたあこがれの銀座に思いを込めて「築地銀だこ」としてスタートした10年前のこと、◆よき従業員に恵まれたこと、◆苗場プロンスホテル駐車場での出店失敗、◆東京進出のために中野商店街の有力店舗を確保するまでの物語、◆急成長して300店舗展開をした際に従業員や顧客から学んだこと、◆アジアを中心に店舗展開をスタートさせたこと、◆アジアの拠点を新設してアセアン諸国への展開を推進すること、◆今年8月石巻に屋台村出店、◆今月本社を石巻に移動させたこと、◆規模拡大と同時にあわせて創業の原点に戻る努力を続けていることなど、約20年間の佐瀬ビジネス、佐瀬ストーリーのすべてお話しくださいました。下の写真は、石巻で被災者100名以上の雇用創出を実現した「ホット横町石巻」です。冬の経営をどう乗り越えるかが現在の課題とか。

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印象に強く残ったのは、「築地銀だこ」で成功しているにもかかわらず、◆従業員から「自分たちがめざしてきたのは、売り上げを伸ばすことだけではなかったんじゃないですか?」との声を聞いて悩み、◆「茶髪や顔グロのアルバイトが銀ダコをつくって売っている状況」を見てショックを受け、◆「マニュアルに満足していただけない顧客から突き返された銀だこ」を手に焦り、◆「25歳で焼きそば屋を始めたころの自分は何をめざしてきたのだろう」と自問自答する、前へ前へ進みながらも真摯な態度の経営者の姿です。

講演後迷わず、佐瀬社長に「公式サポーター企業」になっていただくようお願いをし、快諾いただきました。佐瀬社長と組んでメチャクチャに心熱くやさしい学生を育てたい。

急に「築地銀だこ」食べたくなりました。おぃ、家族全員で出かけるぞ~。