学部長の吉田優治です。
県立高校2年生のA君は、被災地から家族で横浜に引っ越してきて、彼の高校に最近転校してきたB君を連れて、中学時代の友人に紹介してまわっている。津波で多くの友人が亡くなり、B君の住んでいた地域はすでに崩壊してしまったという。
この週末、A君たちは、B君に「春休みに中学時代の友達たちが集まるから、遊びに来いよ。残念なことだけれども、これからはこの地域を君の故郷だと思ってくれ」と言ったという。その時、B君は、目頭を押さえ、感極まって何も言えなかったという。その夜、B君からみんなに携帯メールが届いた。「ありがとう、これからはここを僕の故郷にしたい」と。
高校生たちも、やるじゃない。小学校、中学校のPTA会長をしていたから、ここいらの子供たちはみんな知っている。やんちゃな子もいるけれど、みんな心の優しい子どもたちだと誇りに思った。震災を機に、忘れかけていた優しさが日本中で蘇った。
この若者たちに任せられるよ、将来を。