大学図書館で考える

学部長の吉田優治です。

来春締切りの論文執筆のためのに、昨日大学図書館から60年以上前にアメリカで出版された2冊の著作を借り出しました。1945年出版のAlvin Brown著、Organization、そして1947年出版の同著、Organization of Industryの2冊です。Brownの理論は、経営学の伝統理論のひとつで、その後の経営組織論の発展に大きな影響を与えました。

1940年代のアメリカでBrownが、どのような問題意識を抱え、どのような時代背景のなかで、どのような人々のアイディアに影響を受けて2冊の著作を立て続けに書き上げたのか、そして現実社会や学会にどのような影響を与えたのかに思いを馳せました。図書館では、著作を通じて多くの研究者に出会い、彼らが苦闘して作り上げたアイディアに触れることができます。大学にとって図書館は特別な場所です。

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2000~2001年の1年間にわたり、経営教育の源流をたどる目的で、ハーバードビジネススクールのベーカー図書館ヒストリルディビジョンにおいて同スクールの教育研究の基礎を築いた2代目Dean(スクール長)のウォレス・ブレット・ダナムについての資料や書簡を探索する機会をいただきました。裸電球が照らす薄暗い地下の書庫では、同スクールで活躍し、経営学の基礎を創ったエルトン・メーヨーやレスリスバーガーが今にも出てきそうな錯覚を何度も味わいました。図書館ってそんな場所なんですね。下の写真はベーカー図書館です。

サービス創造学部で「学問から学ぶ」は、「企業から学ぶ」、「活動から学ぶ」とともに重要な学習の方法です。国内外60万冊以上の著作や最新のデータベースをそろえる大学図書館でたくさんの研究者に出会い、多様な学術的アイディアに触れてください。