学部長の吉田優治です。
1月31日(月)、おかげさまで本年度の講義は無事に終了しました。関係者の皆様に心から感謝申し上げます。現在、学部の教職員は、定期試験の採点、学生成績の提出締切日に追われながらも、来期の学部教育の準備、学生プロジェクトの指導、「公式サポーター企業」や「アライアンス企業」への訪問、そして研究活動などを休みなく続けています。
ところで毎月、学生時代のゼミ後輩K氏から、彼の経営する運輸会社の社内報が届きます。彼の会社は、現在100台以上のトラックを保有して湘南地区で7万戸の家庭にLPガスの安定供給を行っています。米国出張中に交通事故で亡くなられたお父様の跡を継ぎ、大学卒業後1年で急遽、従業員100名以上の会社社長に就任し、すでに20年以上にわたり会社を守ってきました。昨日、届いた社内報には、従業員たちのエッセイとともに、K氏の執筆した「何のための規則か・・・」と題するエッセイが掲載されていました。下の写真は同社のタンクローリーです。
K社長は、大学時代のゼミで学んだ経営管理論や経営組織論を手がかりに、協働において規則を守る意味を次のように主張しています。
「お金をいただくに値する労働(サービス)をお客様に提供しなければいけないし、なによりも競争相手(同業他社)に負けてしまえばお金はいただけないのだ。・・・
・・・共に働くことを協働と言う。この協働には大事なことがある。それは規則(ルール)だ。少ない人数でお互いの顔が見え、声が聞こえる距離で仕事をしているのならば、あらかじめ規則(ルール)を決めずとも、問題が発生したら都度相談して解決すればよい。いかし、大勢だったり、離れて仕事をしていたら、都度相談することは不可能だ。問題は解決されず、良い労働(サービス)は提供できない。
だから、お客様からお金をいただく労働(サービス)には、規則が必要なのだ。そしてその規則は誰もが知っているものでなくてはならないし、人によって規則の理解・解釈が違う、などということはありえないのだ。・・・規則だから守るのではない。目的達成のための規則だから守るのだ。」
汗を流し、アイディアを絞り出し、大勢の従業員たちとその家族たちの生活を守り抜いてきた経営者の後輩から、規則を守ることの意味を改めて考える機会をいただきました。ありがとう。