こんにちは。サービス創造学部 産業企業リエゾン担当の井上です。
買い物をするときの緊張感は、女性より男性のほうが強いのではないか、と常々思っています。
例えばデパートの食品売り場で、白衣を着た販売員さんが、お皿を片手に試食を勧めてくれますが、興味とは裏腹に口からでるのは「結構です…」のひと言。また、何となく足を運んだ洋服の売り場で、陳列された商品に手を触れただけで、販売員さんは商談のかまえになります。考えすぎかな、とも思うのですが、そんな雰囲気に緊張してしまうのです。
知り合いのデパート社員に話したら、一般的に男性のお客さんは消極的で、女性のお客さんは、平気で何着も試着を繰り返したあげく、買わずに帰っていく例が珍しくないとのこと。そこまでする男性は稀のようです。販売員さんにしてみれば、親切・丁寧のつもりで応対しているのでしょうが、こちらにとってはそれがプレッシャーになってしまう。
かつてアメリカでは店の入口に“just looking”と書いたプレートを置く小売店があり、商品を見るだけのときは、そのプレートを身に付けて売り場に入ります。これが「わたしは買いにきたのではない」という意思表示になりますから、そのときの接客応対に緊張感が和らぎます。客にとっては、買わされない、という安心感がはたらきます。
これもサービスのひとつであるとすれば、“just looking”も是非とも広げて欲しい『接客』だと思うのですが、どうでしよう。