新任の西村晃です。
私は毎年100回以上飛行機に乗っています。乗る度に気になるのは、離陸してからキャビンアテンダントが「あいにく気流の悪いところを通過しており揺れていますが、飛行の安全性には問題がありません」とアナウンスすることです。いかにもマニュアルどおりのコメントで、毎回「飛行の安全性」を確かめてからアナウンスしているとも思えません。
ある時、私が乗った飛行機が広島空港を離陸してすぐ、皮肉にもこのアナウンスの時点ですでにバードストライクにあっており、すぐに緊急着陸、エンジン破損で結局欠航、一晩夜明かしをするはめになりました。
先日のニューヨーク、マンハッタンのハドソン川に不時着した飛行機事故は奇跡的にも死者を出さずにすみましたが、私にとってとても他人事ではありませんでした。
ニューヨークでは賞賛の声が巻き起こり、最近金融危機で憔悴気味のアメリカ人に勇気と感動を与えるニュースとなりました。
近代文明の粋を集めたジェット機が自然の生き物を吸い込んで、墜落の危機に頻するということに、自然界と共生する難しさを思わざるを得ません。
またどんなにハイテクを装備しても 最後に役立つのは操縦席に座る人の経験に裏打ちされた技術と決断であるということもあらためて感じました。
自然に対する怖れや、人に対する敬愛を忘れ、技術に頼り過ぎる危険を戒めにしなければいけないと思います。