「地域活性化プロジェクト イン 新潟」を担当していますが、実はこれまでも各地の地域から活性化の仕事を引き受けてきました。そのうちのひとつが函館の水産業を六本木のミッドタウンにつれてきた例です。
100万ドルの夜景で知られる函館。
しかし気のせいか最近は夜景もかつての華やかさが薄れたようです。。
函館の人口はずっと減っています。
20世紀初頭には道内最大の人口を誇っていた函館は2005年の国勢調査では29万人と30万人を割り、188万人の札幌に大きく水を開けられ、旭川にも抜かれて道内3位に留まっています。
この函館で水産物卸し小売業を核に観光業、サービス業を幅広く展開している「魚長食品」がこのほど東京六本木のミッドタウンに「函館まるかつ回転寿司」を出店しました。
ただ寿司屋が一軒開店したというのにとどまりません。
「函館を輸出せよ」
地元の期待を一心に背負っての出店でした。
「函館の水産物市場の扱い高は減少傾向に歯止めがかかりません。新しいマーケットを東京に求め函館の魚のおいしさをこの寿司屋でピーアールする。東京で店舗展開することでなにより魚の街、函館の広告塔になれば観光客の誘致にも繋がると考えました」
柳沢政人社長はこう話します。
朝函館市場で柳沢社長自身が競り落とした魚を一番機に乗せて東京に送り11時の開店に間に合わせます。だから品切れになりしだい閉店。悪天候で漁ができなかったり飛行機が飛ばない日は臨時休業にするといいます。
「だいたい年中無休 正月も休まないショッピングセンターの寿司屋なんて有り得ないと私は思います。市場が休みの日に冷凍の魚を使う発想はうちにはありません」と柳沢社長は言います。
胃袋縮小の函館から飛び出し新しいマーケットを開拓するべく「函館輸出作戦」を展開する魚長食品の挑戦は、地域経済の巻き返しを賭ける地方中小企業の戦いでもあります。