夜には日本代表団代表を務められた桂由美先生(サービス創造学部特命教授)がデザインした衣装のファッションショウがありました。ショウが始まるや否や熱気に包まれた会場では、ある者はフラッシュ眩くシャッターを押し続け、興奮した若い女性のグループがアイドルのコンサートのそれと同じように声を上げ、ほかの者たちは世界的なブライダルファッションデザイナーのドレスや着物をただただ陶酔した表情で見つめました。数十分のショウは、その時間そこに居た者全てを魅了した素晴らしい“エンターテインメント”でした。ショウが終わった後も、興奮冷めやらぬ人々が一緒にレンズに収まろうと、桂先生を取り囲みました。
顧客満足(CS)という言葉が世間一般に用いられるようになって久しいですが、ブライダルはそれが最も高いレベルで求められる産業であると思います。人生最大のイベントと言っても過言ではない結婚式は、やり直すことがききません。しかも、結婚する2人にとって、準備から式の当日まで満足のいくものでなければ、実施する意味がないとも言えるでしょう。ひと昔前の結婚式は、利便性を追求するあまり形式的・システマティックとなり、なかなか個性が際立たなかったものでした。しかし、個性の時代と晩婚化・非婚化・少子化が一緒くたになると、結婚するそれぞれの立場や個性に合わせて、いかに満足感を与えられるか(=CSの向上)、ブライダル産業はそのことを真剣に考えなければならない時代を迎えました。しかも、結婚と営為、歴史との深いかかわりについいても気をまわす必要もあります。今回のサミット参加を通じて各国のブライダル事情に触れ、儀式を視て、日々変化の激しいブライダル産業はもちろん、ブライダル自体にも興味関心を強く持つようになりました。