日中交流プログラム③

専任講師の石井です。前回の投稿から少し日が空いてしまいましたが、引き続き、9月15日~18日で実施した立信会計学院との交流プログラムに関する報告です。

2日目の午前中には青島ビールの工場と明治の製菓工場の見学を行いましたが、午後は立信会計学院に戻っての研究会です。研究会では、中国市場における明治商品のマーケティングについて考えてもらう予定です。

本学部の学生には、この研究会に臨むため、9月6日に行われた事前講義に参加してもらい、グローバル・マーケティングに対する理解を深めてもらいました。一方、立信会計学院の学生の皆さんは、今回の研究会のために、夏休みを返上して市場調査を行ってくださったとのことです。どのような研究会になるか、期待が高まります。

研究会は14時に始まりました。

まずは、立身会計学院の皆様から市場調査の結果について発表していただきました。夏休みを返上して実施してくださった調査には、実際のコンビニエンスストア利用客から得られたデータなども含まれており、中国市場における明治製品の位置づけが非常にわかりやすく描き出されていました。また、得られたデータをマーケティングのフレームワークから分析しようという試みもあり、非常に意欲的な発表をしていただきました。発表が全て日本語で進められた点からも、立身会計学院の学生たちの意気込みが伝わってくるのではないかと思います。

続いて、私から簡単にブランドの重要性とブランドネームの考え方について説明させていただきました。もちろんどの国でもブランドネームは重要なのですが、中国においては漢字によるネームがつけられるなど、独自の特徴が見られます。特に漢字は意味を有するため、どの文字を用いるか、ということが中国市場におけるブランドネーム作成のポイントになるはずです。

その後、中国市場におけるマーケティングやブランドネームを検討するグループワークに移りました。まず立信会計学院の学生に、日本で発売されている明治のチョコレート菓子を試食してもらい、中国で最も成功しそうな商品を選んでもらいます。本学の学生はその商品の日本での売り方やブランドイメージなどについて立信側の学生に伝えます。最後に、全員で協力してブランドイメージに合った中国語ネームを考えてもらうといった流れです。

結果から言ってしまうと、非常にユニークなブランドネーム案がいくつも提案されました。チョコレート菓子の食感に注目した漢字を用いたネームや、パッケージに記載されたデザインに注目したネーム、近年の中国市場のトレンドを取り入れたネームなど、それぞれに工夫を凝らしたブランドネームが提案され、活発な議論が展開されました。

先日の投稿で、企業に対する本学学生の積極的な質問に立信会計学院の先生方が驚かれていた、という話を掲載したかと思うのですが、今度は我々が立信会計学院の学生の活発な議論の様子に驚かされました。特に、熱の入った議論が展開されると、中国語であるにも関わらず、その思いが言葉の壁を越えて我々にも伝わってくるようでした。今回のような商品やブランドネームに関する議論に限らず、熱い思いはきっと言葉の壁を越えます。参加した本学の学生も身を以てそのことを感じたのではないでしょうか。

議論の時間は長めに取っていたつもりだったのですが、それにもかかわらず、議論に割く時間が短かったと感じずにはいられない素晴らしいディスカッションになりました。議論は研究会終了予定の16時半ぎりぎりまで続きました。

研究会終了後、全員で

 当初は研究会終了後、そのまま立信会計学院の皆様とお別れの予定だったのですが、名残惜しさもあり、学生の皆様にはその後の夕食まで一緒に行動していただきました。

夕食時は前日に引き続き、我々教員は席を外し、学生だけで交流してもらいました。後から聞いた話によると、お互いの国のゲームを教えあったりして、非常に密度の濃い交流ができたようです。日本で普通に大学に通っているだけでは、なかなかこうした交流の機会はもてません。たとえ、いろいろな国に旅行に行ったとしても、一緒に勉強し、食事をし、行動し、語り合うということはそう多くはないでしょう。今回のような出会いは一生の宝になるはずです。是非、大切にしてもらい、自らが海外に羽ばたくきっかけとしてもらいたいと思います。

さらに、もしこうした交流の中から新たなサービスが創造されることがあれば、私たち教員にとってこれに勝る喜びはありません。

立信会計学院の皆様、本当にありがとうございました。

立信会計学院の学生の皆さんと

3日目は上海市内に移動し、観光を楽しみます。

私の報告ももう少しだけ続きます。