経済学の岡崎哲郎です。
日本経済新聞に「私の履歴書」というコーナーがあり、先週まではドトールコーヒー名誉会長鳥羽博道氏でした。楽しんで毎日読ましてもらいました。
実は子供の頃からコーヒー好きで、学生の頃から入り浸った喫茶店が何軒も。高校生の時は高校の近く、最寄駅の近く、一駅離れたところのジャズ喫茶と三軒の馴染みがあり、毎日どこかの店に行っていました。大学に入って独り暮らしが始まりますが、1・2年生の頃はアパートの近くに若い夫婦がやっている喫茶店があり、毎日そこでコーヒーを飲みながら新聞や雑誌を読んでいました。大学院生の頃は、学内の給湯室でコーヒーを自分で沸かして、昼過ぎには学食で飲んで、夕方気分転換に正門を出てドトールに立ち寄って、また夜は給湯室で沸かすなんて生活を毎日送っていました。大学の生協ではコーヒー豆やコーヒー・フィルターが売られていましたし、学食のパン・コーナーでは、僕が顔を出すだけで注文する前にコーヒーが出てきていました。もちろん、渋谷、青山、新宿、銀座などでコーヒーの旨い店が当時は何軒もあり、渋谷のコーヒー専門店にいたら、当時同じ大学院の学生だった、現在同僚の山田先生が入ってきて偶然出会うということもありました。
高校生の頃に読んだ小田実『何でも見てやろう』(この本は若い人には是非読んでほしいです)の中に、喫茶店の中で自分の時間を楽しむ文化はアメリカにはない、といった記述が確かあって、長らくこれを信じていましたから、喫茶店で時間を過ごすのはまさに日本の文化だと思っていました。もっともヨーロッパ、たとえばパリなんかには昔からあるわけですが。
商大のキャンパスの中やその周辺にも、自分の好きな時間を過ごす空間がたくさんあって欲しいですね。まさにこれこそサービス創造だと思います。ちょっとしたことで可能性は出てくるはずで、私の母校では、大学院生の共有スペースと給湯室があり、生協でコーヒー豆やフィルターが売られて、それだけで、学内での喫茶サービスを我々は自給していたわけです。