学部長の吉田優治です。
私が部会の日本担当理事や論文審査委員を務めている、The Academy of Management(通称:アメリカ経営学会)は、世界110カ国からの会員約2万人でつくる世界規模の経営関連学会です。毎年8月に全米各地をめぐり年次大会を開催します。今年は8月12~16日、テキサス州サンアントニオで開催。約6千名が参加する年次大会は、サンアトニオのコンベンションセンターを中心に、周辺3つのホテルを加えて大規模に開催されています。参加者の4割が世界各国からの会員たちです。残念ながら日本からの出席者はごくわずか。会場でもほとんど出会うことはありません。今年は先日入院した関係で年次大会への参加を断念しましたが、世界中のメンバーとのコミュニケーションは24時間絶え間なく行なっています。
学会HP: http://www.aomonline.org/
年次大会HP: http://meeting.aomonline.org/2011/
学会発行の定期出版物の一つ:
同学会は、テーマ別の25Division(部会)が緩やかに結合した学会。私も2つのDivisionに属しています。
それにしても、世界規模のこの学会、部会、年次大会をまとめている学会事務局、学会・部会理事会の戦略的マネジメント力には脱帽するばかり。戦略的WEB活用、学会関連ジャーナル3冊の定期的出版、積極的な情報開示、各地コンベンションビューローの活用、出版社などの協賛企業の活用、大会運営のプロフェッショナルディレクターの仕事ぶり、高額の年会費・大会参加費に耐えられる研究コンテンツや研究水準の維持。世界の大学研究者たちの底力を感じずにはいれません。どれもわが国学会が学ばねばならないサービスばかりです。
こうした学会に参加していると、大学は国内競争を超えて、すでに国際間の連携状況に突入していることを実感します。千葉商科大学も、サービス創造学部もこうしたダイナミックな世界の学会、大学、学部、教職員とどのように個人としてばかりでなく、組織として連携していくのかを真剣に検討しなければと実感します。
ただ5千を超える報告には、残念ながらサービスについてのテーマを扱うものはほとんどありません。日本でも世界でもサービスやサービス創造についての学会を創ることが求められていると痛感しています。サービス創造学部が中心となってサービス創造学会(The Academy of Service Innovation)を創設する日を夢見ています。遠い将来の話ではありません。