絶海の島・五島の教会を訪ねて

「サービス創造学部」教授の今井重男です。
キリスト教関連施設の観光資源について考えるため、昨日から長崎県五島市に来ています。
300年にわたるキリスト教禁制が解かれた1873(明治6)年以降、五島に暮らす信徒たちは自由な信仰の喜びを教会堂建築で体現しました。
信徒たちの、決して豊かとはいえない暮らしの中で、財産や労力を捧げて建てられた教会には、棄教せずに耐え抜き信仰を守った人々の希望ともいえます。

五島の自然に溶け込んだ教会の幾つかは、近年、観光資源として利用されるようになりました。
今回の研究調査旅行は、これらの観光的価値を有する教会を、ブライダル施設としてサービス創造できないか、それを探索することを目的としています。
そしてこの研究調査は、文部科学省および日本学術振興会が交付する科学研究費助成事業に採択された『「ブライダルツーリズム」の開発と展開可能性』(課題番号16K02081)にも関連しており、その初回の現地調査です。
研究調査旅行とはいえ、教会堂に入り固い椅子に腰を下ろし、祭壇と聖母マリア像を仰ぎ、あるいは床に延びた西日射すステンドグラスの光を見ると、頗る穏やかな気持ちとなります。五島列島の観光パンフレットに「心を取り戻す旅」と書いてありましたが、本当にそんな気になりました。

現存する木造教会では最大規模の水の浦教会



重厚なレンガ造りの楠原教会。北東400メートルには殉教地(牢屋敷跡)があります。


嵯峨島を背景に、十字墓標やマリア像が静かに佇むカトリック墓碑群。



静けさの中にステンドグラスの光が美しい貝津教会


波の静かな入江を見下ろす井持浦教会。


日本最古のルルド