投稿者「神保 雅人」のアーカイブ

2010年 北京の旅


千葉商科大学サービス創造学部の情報科目担当の神保雅人です。

昨年度は学生プロジェクトのうち中国プロジェクト担当ということで,4月末にサービス創造学部の提携先の上海立信会計学院経貿学部よりゲストをお迎えして以来,6月には吉田学部長と上海に出張し,7・8・9月を『学生的上海』というツアー企画を学生がJTBの担当者の方と共に立案し,調整することに対しての指導に費やし,10月には実際の上海ツアー,それが終わったら1月に上海立信会計学院の御一行をお迎えするための第2期中国プロジェクト,という調子で1月下旬までを過ごしました。

3月の下旬に,2001年の夏以来8年半ぶりに北京に出張しましたので,中国に始まり中国に終わった年度となりました。この記事の表題は映画好きまたはSF好きの方ならピンとくるものがある筈です。

下の写真は北京で撮影したものですが,空港に着くと,先ず看板の表示は中国で使われている『簡体字』と英語とで表記されています(写真1)。駐機場から出口に向かう乗り物は無人運転のシャトルです(写真2)。空港から市街地に向かうには,電車が便利ですが,切符売り場の窓口で駅名を中国語の発音で告げなければなりません。ここでは「东直门(Dongzhimen)」と告げて切符を購入し,Airport Expressに乗りました(写真3)。市街地の地下鉄に乗り換える際には,更に「人民大学(Renmindaxue)」と告げて切符を購入しました。

この市街地の地下鉄ですが,ホームには大きな液晶画面が沢山設置されていて,音声も流れ,様々な宣伝が行われています(写真4)。車内でも日本の電車のような液晶画面広告がありますが,こちらも音付きです。また,日本でもよく見かける壁面と錯視とを利用した動いて見える広告もあります。昔とは全く別の土地に来たのではないかと思われる程の変貌ぶりでした。

新入生の皆さんとは,明日の入学式以降に顔を合わせますが,是非,英語や中国語を学んで,周辺の国々の様子を気に掛けていただきたいと思います。

プログラミングの楽しみ


千葉商科大学サービス創造学部の情報科目担当の神保雅人です。

以前から継続している研究テーマが,素粒子物理学の実験家の方々に使ってもらうためのシミュレーションプログラム及びその検査ツールの開発ですので,3月20日に岡山大学で開催された日本物理学会の素粒子実験領域のセッションで登壇し,最近拡張した検査ツールについて発表して参りました。

昨年度は,ミュンヘンのマックスプランク研究所(量子論の祖を記念した創立52年の研究所)で2008年6月末から開催された国際会議で登壇し,シミュレーションプログラムの内容及びそれを用いた計算結果を発表して参りました。この手のシミュレーションプログラムはマックスプランク研究所のグループでも開発していて,ライバルの地に乗り込んでの発表でしたが,私共と提携先のアヌシー(フランス)の研究所だけがプログラム化している検査手法の有効性を強調したため,白熱の議論となってしまいました。

今年に入ってから,土曜日や祝日につくばの研究所の人にも研究室に来てもらって,この検査ツールを拡張しましたので,未だフランスのグループも実現していないものを手掛けております。

さて,今まで私のいた学校では1年次からプログラミングの授業科目がありましたが,サービス創造学部では,1年次には様々な分野の基礎的な必修科目が置かれているため,プログラミングの授業科目は2年次に置かれています。今年度は全くプログラミングの授業科目を持たない状態でしたので,4月が待ち遠しく思われます。

世間では,プログラミングを学ぶことの効用として,『論理性を養える』とか『業務を分析的に捉えられるようになる』とか言われていますが,教科書の例題レベルを抜け出せば,全く新しいものを創り出せる楽しみがあります。私自身は高校1年生の数学でプログラミングを学んで以来,長年にわたってプログラミングに携わっておりますが,全く飽きることはありません。

サービス創造学部ではプログラミングの授業は選択科目ですので,興味を持った学生達に楽しさを伝えられるよう,教材作りには工夫を凝らしていきたいと思います。

アテンションプリーズ 201X年版


サービス創造学部の神保雅人です。

サービス創造研究会の懇親会で,昨年の『学生的上海』ツアーの折に日航(JAL)機を利用させていただいた御礼をJALの方々に申し述べて,暫くお話ししましたが,その際に盛り上がった話題が,表題にある『アテンションプリーズ』の更なるリメイクという私の提案でした。(チバテレの方もその会話に加わられていました)

1970年のオリジナル版と2006年のリメイク版とでは放映されたTV局は異なりましたが,いずれもJALの全面協力の下で製作されていました。201X年版リメイクによって,もう一度,JALに元気を出してもらいましょう,というお話しです。

以下は,私の勝手な夢想です。
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放映TV局: チバテレ
ヒロイン: ホリプロタレントスカウトキャラバンで発掘されたタレント
主な撮影地: 成田空港,CUCのキャンパス
初回のストーリー: ヒロインはJALの客室乗務員(CA)で,国際線に搭乗している。乗客に雑誌や新聞を配り終えたところで,団体客に説明を終えたツアーコンダクターから声を掛けられる。
「お互い,夢を叶えたね!」
(ここから回想シーン)
サービス創造学部入学後のフレッシュマン・キャンプでリゾートトラストのXIV山中湖へ向かう途中のバスで自己紹介をするヒロイン
「趣味は読書と映画鑑賞です。」
どちらかというと地味で真面目なヒロインが最初に仲良くなったのが,活発な女子で次のように呼びかけた子だった。
「趣味は旅行。先輩達が上海ツアーを企画したって聞いたので,皆で色々なツアーを企画するプロジェクトを立ち上げようよ。」
(ヒロインの独白)
あれから,JALのCA出身の先生が担当される『ホスピタリティ』の授業を受け,ハワイ出身の先生の担当されるモーニングクラスで英会話を学習し,ツアー企画の学生プロジェクトで頑張って,自分はCAに,友人はツアーコンダクターとなって,今こうして同じ飛行機に乗っている。運命の出会いってあるんだなあ。
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来週は上海立信会計学院の皆さんが来学


日中国旗 by 神保雅人

サービス創造学部の中国プロジェクト担当の神保雅人です。
来週1月17日の夜から22日の朝まで,上海立信会計学院の皆さん(8名の学生さんたち及び2名の先生方)が本学を訪問されます。
その間,本学の学生及び教職員と交流を図るとともに,上海立信会計学院の皆さんには上海万博の宣伝をしていただきます。
1月19日の午前中には1号館で展示が行われ,20日の午後には瑞穂会館で展示及びプレゼンテーション(4時限の時間帯)が行われます。CUCの皆さん,是非見にいらしてください。
なお,プレゼンテーション終了後には音楽プロジェクト主催のコンサートが催されます。

初夢?


サービス創造学部の神保雅人です。

明けましておめでとうございます。

私の今の夢は,映画好きの熱意のある学生達を集めて,『市川市国府台フィルムコミッション』を立ち上げることです。

千葉商科大学(CUC)は千葉県市川市国府台にあり,昨年の夏にはTVのCM撮影が行われました。画面で見る図書館棟はなかなか見栄えが良かったです。その北隣には国府台公園があり,野球場,陸上競技場,体育館が集まっています。更に北に行くと,じゅん菜池公園という風光明媚な場所もあり,北西には江戸川沿いに里見公園があります。また,南には真間川沿いの道が続きます。

市川市国府台とその周辺には映画を撮るに際しての様々な風景が揃っています。大学構内だけでなく,高校の教室も撮りたいということであれば,北東には千葉商科大学付属高等学校もあります。

サービス創造学部に1年生から4年生までが揃う頃にはこの夢も実現しているかもしれません。

学生プロジェクトにもSNSを活用


サービス創造学部の情報科目担当の神保雅人です。

12月23日(水)のウォームアップ・プログラムでは,これまでの学生プロジェクトの活動内容が紹介されますが,現在も様々な学生プロジェクトが進行中です。サービス創造学部で学生プロジェクトを進めていく上で有用なツールは,情報科目担当の鎌田先生が整えてくださった『サがつくSNS。』という学部公式SNSです。

学生プロジェクトごとにコミュニティを立ち上げ,その掲示板にトピックスを作成して,メンバー間のコミュニケーションを図ることで,ミーティングを補完しています。(例えば,現在,中国プロジェクトでは1月に上海立信会計学院から学生及び教員を迎えるため,頻繁にミーティングを開催していますが,それだけでは足りません)

1時代前(90年代)の技術として,メーリングリストも学内で利用が可能ですが,その本来の目的は同報通信用ですので,事務連絡には向いていても,議論には不向きです。特に,メーリングリストに携帯電話のメールアドレスを登録してしまうと,一斉送信数の制限や着信拒否設定の解除といった技術的な問題をクリアしなければならず,また,日頃,件名も自分の名前も書かずにメールを流すことに慣れている学生達には,メールのお作法から教え込まなければなりません。

企業では,一頃,グループウェアの利用が普及していきましたが,学生の自発的な活動には手軽なSNSの方が適していると思います。

なお,今のところ,『サがつくSNS。』のコミュニティを最も有効に活用しているグループは,チバテレプロジェクトの学生達のようです。

学生的上海 参加者より (1)


日中国旗 by 神保雅人 中国プロジェクト担当の神保雅人です。

『学生的上海』参加者の森 謙太君(商経学部 吉田ゼミ 4年生)から投稿原稿が届きましたので,代わりに掲載します。

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千葉商科大学 商経学部 経営学科4年

0630110番 森 謙太

学生的上海 感想

 中国という国は、この数十年でアジアの顔から世界の顔に成長し、我々の生活にとっても切り離せない重要な国になりました。世界の工場と言われ、外国資本が集中して投入される市場。隣国でありながら、既存のイメージでしか捉えられていない私は、その現状を見るべく、この企画に参加しました。

 上海浦東国際空港について、まず感じたのは、埃臭い空気でした。空港内外・高速道路・一般自動車道のいたるところで工事が行われており、醜悪な液体の垂れる風景からは、都市としてのインフラ発展に集中していることが伺えました。

 今回の目的地である松江大学城は、7つの大学が集められており、各専門性に沿ったカリキュラムだけでなく、建物の外観もそれぞれのイメージを伝えてくれるものでした。松江大学城の大学に通う学生は、他大学の講座も履修可能であり、7つの大学から毎回専門性に特化した学習を受けられる環境には、驚きました。

 上海立信会計学院の学生との2日間の交流によって、中国人学生の個人資本は、日本のそれと比べるとかなり低いことが伺えました。必要最低限なものは、そろえられていましたが、衣服等では個人を主張するような品は見当たりませんでした。しかし、それを補完するかのごとく大学の敷地内には、テニスコートをはじめ、バスケット、ゴルフ、サッカーグラウンドなどの運動施設が全ての大学に設置されており、図書館やPC環境も充実されていました。娯楽という面では物足りない環境ですが、彼らは本来的に求められる典型的な学習環境にあるのだと感じさせてくれました。

 上海市街の観光では、世界都市といわれるだけあって、東京の都心部のそれとなんら遜色ないビル群があり、道路も広く取られていました。日本のような電車網は見られませんでしたが、9つの路線が工事中であり、ここでもインフラ発展が見受けられました。一点、疑問に思ったのは、マンション建設の過熱状態です。地価は右肩上がりで、投資対象としても注目させる上海のマンションですが、空の物件で一宅1億円~と言われ、1800万人の上海市民に、しかも地域的に見ると日本以上に高齢化が進んでいる状況で、いかように捌かれるのか。実際、上海の松江区にいくにつれて、マンションには数えるほどしか明かりが点っておらず、どういう形で決着がつけられるのか、今後も注視していきたいです。

 世界的にも中国が発展を続けていっている答えは何か。今回、自分の目で見つけられたのは、中国の総合力であり統率力です。中国共産党による国営には、個人に対して一種の社会的活動の割り当てを感じることができました。農村地域で生まれ、都心に出稼ぎに来て、労働力を持って生業とするスタイル。都心部で生まれ、高等教育を受け、車を所有し、高層マンションで暮らすスタイル。両者は同じ国にいながら決して交わることのない生活スタイルを形成していました。この環境からは、社会的に安定した労働力の確保が可能であり、外資企業の参入を後押ししたのではないかと推測できました。

 では、今後も成長を続け、中長期的に見てGDP世界一になることも予測できる中国ですが、日本は世界でどのようなポジショニングをとることができるのでしょうか。私は、現状の技術大国として、新技術を生み出していくポジションと同じに、広大な土地も労働力も必要ない「サービス」というソフトウエアが最適だと考えています。経済成長と連動してモノとカネがついていく新興国に対して、ヒトの育成を付加するというフィールドには、まだまだ、参入の余地があります。我々学生は、サービス創造の発信地として、国を形成することが求められ、それをもって日本は世界に存在意義を発揮するでしょう。

bayfm “I’m alive!” 生出演報告


日中国旗 by 神保雅人 中国プロジェクト担当の神保雅人です。

bayfmの生放送番組『I’m alive!』に出演した小池成君,菊地玉恵さんに付き添った,宮崎平君から投稿原稿が届きましたので,代わりに掲載します。

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サービス創造学部1年、音楽プロジェクト代表の宮崎平です。

昨日17日(土)、公式サポーター企業である、bayfm(78.0)の「I’m Alive!」に中国プロジェクト代表の小池成くんと菊地玉恵さんが生出演し、上海でのプロジェクト報告をしてきました。番組DJはアーティストとして活躍している小島崇弘さんです。
僕は、プロジェクト統括リーダーとして、2人のサポートをしてきました。また、今後のプロジェクト発展にbayfmは欠かせない存在であるので、音楽プロジェクトとしてもアピールしてきました。

2人の本番は、21時20分から。
打ち合わせのため、18時に海浜幕張bayfm本社に関根課長の出迎えを受け、到着。初めは全員緊張していましたが、関根課長のやさしい言葉に、雰囲気は和みました。
その後は、学生だけでの打ち合わせ。2人が出演するという事で、僕は恥ずかしながらDJ・小島さんのものまねを入れながらのDJ役をやらせていただきました。
賑やかなムードのまま、制作スタッフの皆様との打ち合わせへ。
スタッフの皆様は優しくて、面白くて、安心させてくれました。打ち合わせとは思えないほど、和やかな雰囲気でした。
打ち合わせが終了して、小島さんは生放送突入!!僕たちは本番まで時間があるという事で、スタジオの中で、小島さんのマイクパフォーマンスを堪能しつつ、社内を見学させていただきました。(小島さんの声、すごい良いですよ!)

落ち着いた雰囲気で、窓越しから見た幕張の夜景はキレイでした!!(案内してくださった鈴木さん曰く、仕事中にこの景色を見ると、すごい悲しくなるらしいです…)
なんだかんだ、している間に本番が近くなってくる…2人は緊張してるのかな…っと思いきや、頂いたハンバーガーにかぶりつく姿…本当に生放送前の姿なのか…(でも、ちょっと安心しました)

21時10分…「それではお願いしま~す!」とうとう本番です。
スタッフさん達も、慌ただしく動き回っていて、スタジオに緊張感が漂っていました。
本番の様子は、実際に聴いていただいた方がわかりやすいと思いますので、無駄な実況中継は辞めておきます…

約20分間の生放送が終了し、2人からはホッとした表情が。
生放送の大役を見事に果たした小池君、菊地さん、本当にお疲れ様でした!!!

今回のbayfm出演は、このプロジェクトが始まった頃からの望みでもありました。ラジオを通じて自分達の言いたいことを伝える。これは場慣れしたプロでも難しいことだそうですが、そのチャンスを与えられただけでも、非常に貴重な体験をしたと思っています。
これには、指導してくださった吉田優治学部長、神保雅人教授。
bayfmとの打ち合わせを以前からしていただいた、井上義次教授。
いろいろな面でサポートしていただいた、サービス創造オフィスの皆様。
こんな「平成生まれのフレッシュゲスト」3人を温かく、迎い入れてくださった、bayfmの皆様、小島崇弘さん。
本当にありがとうございました。

今回の経験で、僕たちサービス創造学部の学生は、多くの人に支えられているんだな。と改めて思いました。この学部では、いろいろなところにチャンスがあります。それに応えるかどうかは、僕たち自身。そんなところで、ビジョンとパッションが試されているんですね。
音楽プロジェクトとしても、今後さまざまな挑戦をしていきます。
次代を創っていくのは、僕たちです。
これからも、サービス創造学部。そして、音楽プロジェクト・中国プロジェクトを応援してください。

学生的上海 帰朝報告 (後編)


日中国旗 by 神保雅人 中国プロジェクト担当の神保雅人です。

学生的上海に関する私からの報告の最終回です。後は学生からの投稿を期待しています。

10月13日の朝は,先ず学生寮の見学に行きました。(写真23) 上海立信会計学院だけで1万人の学生が寮生活をしているそうで,学食だけでは昼食にありつけそうもありませんでしたが,寮のあるエリアにも様々な売店が林立していて,言わば,”分散処理”となっていることが分かりました。寮の建物は男子用と女子用は別棟となっていて,女子用の建物には厳しい監視員が入り口を見張っているそうです。

この日は,通常,女子禁制となっている男子寮の建物に向かい,コンサートの司会を務めた学生の部屋を見せてもらいました。階段の手前の壁面には,牛乳配達用のボックスが並んでいて,「日本でも昔は牛乳を家庭に配達していたのだよ」と日中の学生達に説明しました。部屋は4人部屋でしたが,ベッドが大半のスペースを占めていて,部屋の中程のベッドに挟まれた位置に小さめの机が2脚ずつ,左右の壁に向けて置かれていました。(写真24)

次に,シンポジウムの際に中国側の通訳を務めた孫先生の日本語の授業を見学に行きました。(写真25) 実践重視の中国独自の日本語文法が組み立てられていることはとても新鮮でした。本学の教職員は立信側の先生方と今後の交流についてミーティングを行うため,中座し,ツアー参加者は授業見学の後,太極拳の体験学習へと向かいました。

10月13日の昼下がりは,教員用の食堂で,餃子パーティーとそれに続くビンゴパーティーを行いました。餃子パーティーでは,立信側の教員や学生,食堂の職員がそれぞれの流儀で餃子の包み方を指導し,日中の学生,教職員,ツアー参加者が一緒に餃子作りに励みました。(写真26)

ビンゴ大会では,中国側でルールを知っている人は皆無でしたが,どこの国の人達でもでもくじ引きは大好きで,ビンゴには更にゲーム性も加味されているため,番号が読み上げられる度に皆が一喜一憂して,大変盛り上がり,今後,ビンゴが中国にも浸透していくのではないかと思えました。(写真27)

10月13日の夕刻は,大学城のある上海市松江区から上海の中心地に移動するため,日中の学生同士は名残惜しそうでしたが,お互いのメールアドレスを交換して後,本学学生達も上海律新会計学院に別れを告げ,バスに乗り込みました。(写真28) なお,この晩は,オーストラリア系のホテル『美麗園龍都大酒店(Rendevous Merry Hotel)』に宿泊しました。

10月14日は,いよいよ最終日となり,朝のチェックアウトの後,先ずは建設中の万博会場をバスの車窓から見学しました。(写真29-32) 因みに,写真32の赤い建物が中国館です。ここでは,河岸にパビリオンを建設している風景と,付近の古い民家を取り壊している風景とが混在していましたが,来年の今頃はすっかり綺麗になっていることでしょう。既に中心地では道路の中央分離帯や歩道によく手入れされた植え込みが続き,2000年,2001年に上海を訪れた頃とは別世界のようです。

次に,浦東新区の保税区へと向かいました。(写真33) この地域では,先ず,株式会社トルネックスという煙草の煙を吸い取る機械を製造している会社の工場を見学しましたが,時節柄,本業は中断して,マスクの袋詰めの請負仕事の作業中でした。続いて,株式会社住友倉庫の現地法人の方に,コンテナヤードが見渡せる建物の屋上に案内してもらいました。(写真34) 長江の河口のデルタ地帯に位置する,『外高橋』コンテナヤード全体で,2000万本のコンテナがアクティブに扱われているそうですが,浚渫作業が大変なので,今後は海上に作った別のコンテナヤードに移っていくことになるそうです。

この後,空港に向かい,ツアー参加者の一行を乗せたJL610便は16時05分に離陸して,無事,帰国の途に就きました。参加者の皆様には充実した4日間を満喫していただけたようです。

今回の国際交流を通じて,日本の教育の在り方について考えさせられました。中国の学生は,米国のように,小学校の頃からの教育を通じて,自分の意見を皆の前で堂々と表明することに慣れています。日本では,詰め込みをやめて自分で考える能力を涵養するという掛け声の下に,ゆとり教育が始まりましたが,なかなか現実は理想通りにはいかなかったようです。これからの大学生を国際的に通用する人材に育て上げるには,外からの刺激を受ける環境を整え,彼らの活躍の場を提供していくしかないように思えます。

なお,このツアーを通じて,中国の人々の道徳的な規範として,お年寄りを大事にするという姿勢に接しましたが,このことはやはり見習うべき点ではないかと改めて感じました。中国では,周王朝の成立以来,『礼』とは先祖を祀ることに始まり,数千年来,王の命令よりも親の病気見舞いが優先するというお国柄でしたが,現代の中国でも,長年,会社や国に尽くしてきたお年寄りには敬意を払い,優しく接するという伝統は息づいているようです。

最後に,この場を借りて,学生的上海ツアーの一行を温かくもてなしてくださった,上海立信会計学院の教職員及び学生の皆様に御礼申し上げます。

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学生的上海 帰朝報告 (中編)


日中国旗 by 神保雅人 中国プロジェクト担当の神保雅人です。

前編の続きです。

10月12日の夕刻は,いよいよ,千葉商科大学サービス創造学部の音楽プロジェクトと中国プロジェクトとのコラボレーションによる企画で実現した「日中合作コンサート」の本番を迎えました。コンサート会場は上海立信会計学院の信息楼(情報学部棟)2階の講堂で,建物の入り口の壁には大きなポスターが貼られていました。(写真10) 会場に入ると,鬼束ちひろさんの『月光』が流れていて,日本側への配慮が感じられました。

コンサートの第1部は中国側のパートで,17時30分に開始して1時間の上海立信会計学院の学生達による公演でした。最初の演者は100名の合唱団で,舞台上に3段に並んだ様は壮観でした。(写真11) 曲目の中に『千の風になって』が盛り込まれていましたが,日本語の発音はなかなかのものでした。舞台の手前の向かって右側にはブラスバンド部(写真12),左側には民俗楽器部(写真13)が陣取り,伴奏や単独の演奏を行いました。その後,洋風のダンス(写真14),コスプレ集団の演舞(写真15),民族舞踊(写真16)と続き,最後は合唱団の一部が衣装を替えて再登場し,『ジングルベル』を様々なアレンジで歌いました。(写真17)

休憩時間に入ると,取材に訪れていた読売テレビの報道局のクルーが,ツアー参加者の他大学の学生さんや本学の学生達にインタビューを行いました。私は前から2列目に座っていましたが,明るくなって周囲を見渡すと,510席の座席は満杯で,通路に座る人達や立ち見の人達で立錐の余地もないくらいでした。観客は700人以上は入ったそうで,その他,室外から聴いていた人達もあったようです。

コンサートの第2部は日本側のパートで,先ずKATEIさんのエレクトリックバイオリンの演奏,続いてGeneZさんの歌唱の順でしたが,KATEIさんの超絶技巧もさることながら,彼の中国語によるトークが大受けで,熱烈なアンコールも寄せられて,持ち時間の1時間を使い切る程でした。(写真18) KATEIさんの曲目は次の通りです。

  1. Shooting Star
  2. summer
  3. Jupitor
  4. INORI

GeneZさんは本来,3人組のユニットですが,今回は,男性ボーカルのマイケルさんと女性ボーカルのガウさんが参加してくれました。(写真19) GeneZさんの曲目は次の通りです。

  1. 最先端HipHop
  2. 君が
  3. Do You Really
  4. 朋友(Friend) 周华健
  5. One Step
  6. Band G Jump
  7. Dream

ガウさんの先祖の一人が中国系であることと,中国の歌『朋友』が盛り込まれていたこと,『One Step』や『Dream』のコンセプトの説明に観客全体が共感できたことから,会場には大興奮の渦が巻き起こりました。アンコールの際には,700人が総立ちで,(写真20) 特に『Band G Jump』では,私も含めて皆で片腕を振り上げながら飛び跳ねました。

第2部終了後には,本学の学生達による『ソーラン節ダンス』が披露されましたが,彼らが9月に入ってから学生的上海の準備で忙しい中,厳しい練習に耐え抜いて作り上げたものでしたので,写真を撮りながらも涙を禁じえませんでした。(写真21)

この後,全出演者が舞台に上がり,上海立信会計学院の党委副書記の朱副院長(副学長)がとても熱のこもった挨拶を行いました。このように盛り上がったコンサートは初めてで,GeneZさんたちの曲目のコンセプトにも感銘を受けたとのことでした。(写真22)

最後に本学の教職員も舞台に上がり,『幸せなら手をたたこう』を歌ってお開きとなりましたが,日本側のミュージシャンも学生達もサイン攻めにあい,なかなかバスに乗り込めない程の熱気でした。(後編に続く)

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